教科書
システムエンジニア入門
ビジネス・システム要件
クライアントがシステムとして要求する内容は、企業、団体、個人を問わず様々なものがあります。 企業の経営者層からは、顧客満足度をあげて利益も上げるシステムの提案と構築。企業のIT部門からは、現行のシステムでは対応できないプロジェクトのシステム化。 団体、行政機関からは、法改正や新規体制などにともなうシステム改定、もしくはシステム提案書の作成業務。個人からは、こんなアプリがほしいなどがあります。
遠くて近い、むかし、むかし、あるところにうさんくさい経営コンサルタントがいたそうな。その経営コンサルタントが、ある企業の経営者たちに、「こんな経営や体制では将来に希望はない!」と言い放ち夢物語のような、「○○モデルを実践したこんなシステムを構築しましょう」と話をもちかけたそうな。
経営者たちは、みなで相談して、「多少お金がかかっても、偉い先生が言うのだから大丈夫かもしれん。やってみるべ」と多額のコンサルタント料を支払いましたとさ。
お金を支払ったにもかかわらず、いつまでたっても、経営コンサルタントからは聞き取り調査や成果物の提出がありません。経営者たちは心配になってきました。3か月ほどしてからです。経営者たちのもとに、山のような調査報告書や指示書、要件定義書が送られてきました。
経営者たちは、その報告書や資料をみてもよくわかりません。少しだけ、企業の業務についてふれているところもあるのですが、あやふやで、具体的なことは何も書かれていませんでした。 「これで、どうしたらつくれるんだろう」と経営者たちはあたふたしてました。すると、あの経営コンサルタントがやってきました。
経営コンサルタントが引き連れてきたのは、システムアナリストだそうで、「このものが、システムを分析し設計、開発まで取りまとめるから安心して任せなさい」と経営コンサルタントが言いました。経営者たちはそれを聞いて安心したそうな。
しばらくして、夢のような儲かるシステムが出来上がるのはいつだろうと、経営者たちはワクワクしながら、担当者を呼びました。
担当者が、「システムアナリストの方は、分析結果を報告するだけで具体的にどうすればいいか答えてくれません・・・」
経営者たちはくちぐちに、「それは、おぬしの聞き方がなっておらんからじゃろ」と担当者をせめはじめました。
時間がないので続く・・・
ビジネス要件
ビジネス要件は、クライアントの望む要求を具現化しなければいけません。抽象的なままだと、それをとらえる立場で視点が大きく変わる可能性を秘めています。ですのでクライアントとの揉め事の種になります。
ひと昔に流行った、「ビジネスモデル」これは単に言葉を変えて今ふうにしているだけです。昔からある業種、業態を、利益からみた分類方法です。これは、要求を具現化したとは言えません。
それでは、要求の具現化とはどうすればいいのでしょう。
要求の具現化
具体的な例として、人の食欲からその答えを出します。
あなたは、おなかがすきました。どうすれば食欲を満たすことができますか?
10代、20代前半の男性は、コンビニで弁当を買っておなかを満たすでしょう。
既婚者の男性は、「おーい、おなかすいたから飯作って」と奥さんに要求し、奥さんが食事を作り、それで満たすでしょう。
独身の若い女性しかもダイエット中ならば、「今日の夕食はがまん、がまんしよう。明日は彼に高級レストランに連れて行ってもらう」と考えるかもしれません。
時間がないので続く・・・
いくつか例を挙げていくと、「空間」、「時間」、「人物」、「資源」、「資金」、「情報」、「行動」の関係式がうっすらと見えてくるはずです。その関係式を図表や文章でまとめていけば、要求の具現化ができます。
時間がないので続く・・・
課題
それでは、課題の「モバイル端末のアプリで、旅行予定の先々の天気予報が知りたい」を具現化しましょう。
システム要件
次に行う作業として、ビジネス要件から機械化できる要件をまとめます。